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リハビリテーションの自主トレーニングメニュー 肩関節障害 

[2024.09.03]

肩関節障害の自主トレーニング

 

1. 肩関節障害の概要

肩関節は非常に柔軟で複雑な構造を持つため、負荷や使いすぎ、外傷などで障害が発生しやすい部分です。肩関節障害には、肩の痛みや可動域制限、筋力の低下などが含まれます。主な原因としては、肩関節周囲炎(いわゆる「五十肩」)、腱板損傷、肩インピンジメント症候群などがあります。

2. 自主トレーニングの役割

自主トレーニングは、リハビリテーションを進めるうえで非常に重要な役割を果たします。次のようなメリットがあります。

  • 筋力の維持・強化:障害の影響を受けている肩の筋肉を再度強化し、肩関節を支える力を向上させます。
  • 柔軟性の改善:適切なストレッチや運動で肩の可動域を広げ、拘縮や硬さを防ぎます。
  • 痛みの軽減:筋肉や靭帯が健康な状態を保つことで、痛みの緩和が期待できます。
  • 再発防止:筋力や柔軟性を高めることで、再度の肩の損傷や痛みを予防します。

3. リハビリの重要性

専門家によるリハビリテーションは、自主トレーニングだけではカバーできない点を補完します。理学療法士や医師が関与することで、次のような点が強調されます。

  • 正確な診断と評価:専門家が肩の障害の状態を正確に診断し、適切なリハビリテーションプランを立てます。
  • 安全な運動指導:無理のない範囲で正しいフォームや運動方法を指導し、二次的な損傷を防ぎます。
  • 進行管理:肩の回復状況を定期的に評価し、必要に応じてトレーニングや治療を調整します。

4. 効果的な自主トレーニングの例

肩関節障害の自主トレーニングにおいて、肩甲骨、胸椎、そしてインナーマッスルを動かす体操は、それぞれ重要な役割を果たします。これらの体操を行うことで、肩関節の動きをスムーズにし、痛みを軽減し、再発予防にも繋がります。

いくつかの自主トレーニングを紹介します。

実施前に注意すべきを3つポイントをあげます。

1 自主トレーニングは、実際に理学療法士とリハビリテーションをやっていく中で、動作を確認することをお勧めします。

2  反動をつけてやらないでください。

3  動作で痛みが出る場合は、やめてください。 

 

肩甲骨ストレッチ

    • 肩甲骨は、肩関節の動きを支える重要な骨です。肩甲骨がスムーズに動かないと、肩関節の動きが制限され、痛みが出やすくなります。
    • 肩甲骨を動かす体操は、肩甲骨周りの筋肉を柔軟にし、肩関節の可動域を広げる効果があります。

 

  1. 姿勢を整えて座る。 両肩に小指・薬指を乗せる。
  2. 指先が肩から離れないように気をつけながら、
  3. 肘で大きな円を前から後ろへ描くようにして肩を後ろに回す。(10回)

 

 

胸椎伸展ストレッチ

    • 胸椎は、背中の上部にある骨で、肩甲骨と密接な関係があります。胸椎が硬くなると、肩甲骨の動きが制限され、肩関節の動きにも悪影響を及ぼします。
    • 胸椎を動かす体操は、胸椎の柔軟性を高め、肩甲骨の動きを改善する効果があります。

 

 

  1. いすに浅めに座り、脚を腰幅に開く。
  2. 肘を膝の上に置き、おへそをのぞき込むように背中を丸くする(息を吐く)。
  3. 肘を膝から離さずに、胸を前へ突き出すように背中を反る(息を吸う)。

 

 

 

肩の可動域訓練(コッドマン体操、イス引き挙上運動)

コッドマン体操は、肩関節を大きく円を描くように動かす体操で、肩関節周囲の筋肉を柔軟にし、血行を促進する効果があります。

肩関節の可動域を広げ、肩周りの筋肉血流を改善させるで、痛みの軽減に繋がります。

 

 

★コッドマン体操

 

  1. 足を肩幅程度に開きます
  2. 肩の力を抜き、痛い方の腕を前に垂らしながら、ゆっくりおじぎします
  3. 身体を前後に揺らし、腕を振り子のように動かします(30秒)
  4. これを10回繰り返します

 

★イス引き挙上運動

 

  1. 机の前に座り、肩の力を抜きます
  2. 両腕を伸ばしたままイスを後ろに引き、身体を前に倒します
  3. 限界のところで10秒間止め、元に戻します
  4. これを10回繰り返します

 

 

インナーマッスルトレーニング

インナーマッスルとは、深層にある筋肉のことを指します。肩関節を安定させる働きがあり、インナーマッスルが弱いと、肩関節が不安定になり、痛みが出やすくなります。

インナーマッスルトレーニングは、肩関節の安定性を高め、再発予防に繋がります。

 

★インナーマッスルエクササイズ(内旋・外旋)

 

 

  1. 胸を張り、肘を屈曲にします
  2. (内旋) ゴムを内側に向けてひねるように動かします 

   (外旋) ゴムを外側に向けてひねるように動かします

  1. これを10回繰り返します

 

★インナーマッスルエクササイズ(外転)

  1. 胸を張って肘を伸ばして立ちます 
  2. ゴムの片側を動かす方の反対の足でふみます
  3. 腕を外側へ約こぶし3つ分広げる
  4. これを10回繰り返します

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