石灰沈着性腱板炎
石灰沈着性腱板炎とは
石灰沈着性腱板炎は、肩関節を構成する腱板(肩の筋肉を支える組織)に石灰(カルシウム)が沈着し、炎症や痛みを引き起こす疾患です。突然の強い肩の痛みを伴うことが多く、日常生活に支障をきたす場合があります。
症状
石灰沈着性腱板炎の主な症状は次の通りです:
- 突然の激しい肩の痛み:特に夜間に痛みが増すことがあります。
- 肩の動きの制限:痛みのため腕を上げたり回したりする動作が困難になることがあります。
- 炎症による腫れ:肩周囲に腫れや圧痛を感じることがあります。
原因
この疾患の正確な原因は不明ですが、次のような要因が関与していると考えられています:
- 加齢による変化:腱板組織の劣化や血流低下。
- 過度な負担:肩を酷使する動作の繰り返し。
- ホルモンの影響:特に中年以降の女性に多い傾向があります。
診断
診断は主に以下の方法で行います:
- 問診と診察:症状の確認や触診による痛みの部位特定。
- 画像検査:X線で石灰の沈着を確認します。超音波検査では石灰の位置や大きさを詳細に把握できます。
治療
石灰沈着性腱板炎の治療は、症状の重さや患者さんの状態に応じて選択されます。
保存療法
- 薬物療法:痛み止めや抗炎症薬を使用します。
- 理学療法:肩の可動域を保つための運動やストレッチ。
- 関節注射:肩関節内にヒアルロン酸を直接注入する治療法です。ヒアルロン酸は関節の滑りを良くし、軟骨の保護や炎症の緩和を助ける物質です。関節の痛みや可動域の制限を改善し、日常生活の質を向上させることを目的としています。
穿刺・洗浄吸引療法(当院で実施)
保存療法で改善が見られない場合、当院では超音波ガイド下に石灰を穿刺し、洗浄吸引を行う処置を提供しています。この方法により、石灰を効率的に除去し、痛みや炎症を大幅に軽減することが期待できます。
- 超音波ガイド:リアルタイムで石灰の位置を確認しながら正確に処置を行います。
- 洗浄吸引:生理食塩水で石灰を破砕し、吸引します。
この治療法は体への負担が少なく、早期の痛み軽減が可能です。
予防
- 肩の負担を軽減:過度な運動や同じ姿勢を避ける。
- 適度な運動:肩周りの筋力を保つためのエクササイズ。リハビリテーションを推奨。
- 早期受診:肩の痛みが続く場合は早めの診察をお勧めします。
当院の特徴
当院では、最新の設備と経験豊富な医師が石灰沈着性腱板炎の診断・治療に対応します。超音波ガイド下の穿刺洗浄吸引療法を中心に、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供しています。肩の痛みでお困りの方はぜひご相談ください。